ベトナム旅行記 旧正月テトを味わう その36
ベトナムの街を徒歩でうろうろすることに関して面白いだとか疲れるだとか色々な感想
を述べてきた。感想は相反する内容であるかもしれないがいたって普通のものなのであ
る。異国の街並みは多くの人が新鮮な気持ちを持つのではないか。そして新鮮であるが
ゆえにその刺激も大量な情報を脳に送りつける。脳はその情報処理に奔走し息切れをし
ているかもしれない。
そのような時に気持ちが晴れる時がある。それは景色が開けた時である。大きな道路が
あり空間に広がりが認められた時は清々しい。たとえ空気が汚染され騒々しい街であっ
たとしてもだ。しかしこのベトナムの街においてそのように感じることは多くの人に当
てはまるかどうかは明言しない。なぜならこの感情は、私が以前ベトナムの街に短期間
ではあるが関わっていたことが大きい。新鮮な気分の中にはなつかしさが大きい。この
汚れた空気、よくわからない食品のにおい、砂ぼこりが舞う不快な風、日本では考え
られない騒音、クラクションの音、全てがなつかしく思い、自然に笑みが浮かぶ。
何の変哲もない街並みがこれほど私の脳を刺激するとは思わなかった。