巣立ち
「巣立ち」とはとても良い言葉ではあるのだが時に一抹の寂しさがある。人間であれば巣立つ方も巣立ちを見守る方も互いに感情が起こるだろう。
ツバメではどうだろう。ツバメをはじめ自然界の動物達は生存競争がとても厳しい。大きくなるまでに捕食されたり環境に成長を阻害されたりする。
ツバメに寂しさという感情はあるのだろうか。もしあったとしてそれは生きる上で必要な感情であろうか。
ツバメの成長を見守ってきた者にとって空の巣を見ることはある種の達成感と寂寥感が混じった思いである。また来年会おうと勝手に約束をした朝であった。