ベトナム旅行記 旧正月を味わう その53
ホッとする写真を載せよう。ベトナムの片田舎でのワンシーンである。ポイントは牛で
ある。
実は大して忙しくないのにもかかわらず日々の雑事に忙殺される。計画を立てて優先順
位をつけてひとつひとつクリアしていけば何の問題もなく終わることがほとんどであ
る。分かってはいるのだがそのように行動することは私にとって難しい時が多い。「言
うは易し」とはよく言ったものである。いつものことであるが、これには人間の習性が
関係しているのではと思っている。人間はもともと計画的に行動する生き物ではなかっ
たのではないか。農耕が始まったのが約1万年前でそれまでは狩猟採集生活をしてい
た。狩猟採集時代は農耕生活に比べ計画性を必要としなかったという可能性はないか。
動物が相手なので計画を立てようにも立てられなかったのではないか。よって常に腹を
空かせ、食事にありつける時には無理をしてでも栄養分を体内に蓄えてきたのではない
か。
一方、農耕生活においては計画性がとても重要である。この時期までに種を播き収穫、
次の季節には他の植物を植える。休耕期間は何年くらいとか計画性を必要としたのでは
ないか。1万年もの時間が過ぎたにもかかわらず相変わらず狩猟採集時代の名残がある
のかと考えたこともあったが、狩猟採集時代は現生人類の歴史の中で8割から9割を占め
るという。つまり今までほとんどが狩猟採集生活であった言えるのである。納得であ
る。
今言えることは計画性がないのは私という人間のだらしのない性格から発生するのでは
なく、ご先祖様の適応能力から生まれた特性だということだ。人類は何とかしてここま
で生存してきたのである。それは受け入れられるべき選択であったのだ。