ベトナム旅行記 旧正月を味わう その42
先ずはこれを見てほしい。色彩が豊かなので目から入り脳に伝わる情報量が少し多くて
疲れるかも知れない。また初めて見る人にはこれが何なのかということを脳が色々な処
理をするため多少負荷がかかってしまうかもしれない。私はこれが何かを知っているに
もかかわらず毎回、多少の疲労を感じてしまう。
これは移動式販売の一形態である。メインはおもちゃや遊具、そして「KEM」とあるの
はベトナム語でアイスクリームのことである。ちなみに「KEM」とはクリーム状、ペー
スト状をことを表す言葉である。歯磨き粉、保湿クリームも「KEM」という表現を利用
する。
この写真を見て何を思うだろうか。
先ずその雑然感であろうか。今風に言えば「THE 雑然」とでも言えるだろうか。そのく
らいまとまりがなくその情報量も多い。まとまりがないという感覚を持つのは、この写
真が日本には存在しない物体であり、日本ではこのような荷造りは現在では禁止されて
いるからではないか。よく見るとこども向けのカラフルなおもちゃ、こどもが好きなア
イス、お菓子等、まとまりはあると言えばある。さらに気になるのは、この車体であ
る。おそらく日本の中古原付のスーパーカブをメインにした改造車であろうが前輪部分
はリヤカーがついているように見える。これはどうやって移動するのであろうか。これ
だけの量の物品があるのだから相当の重量ではないか。手で押すことも難しいのではな
いかと思うがここはベトナムである。現地の人はとんでもないことを平気でしてしま
う。手押しの可能性も排除できない。手押しで移動するという仮定で話をする。仮にベ
トナム人にこのように質問したとする。
「手で押して移動するのになぜモーター車であるバイクを使用したのか」
こう答えるだろう。
「ちょうどバイクがあったからだ」
このような私の脳みそをあざ笑うかのような出来事に出くわすとワクワクしてしまう。
やはりベトナムはすごかった。