ベトナム旅行記 旧正月テトを味わう その30
久しぶりにベトナムの街を歩く。とても新鮮であった。人間にとってというと大げさで
あるが、やはり歩くことは基本である。遥か遠い昔、我々の先祖は歩いてアフリカを出
たのである。以前にも書いたがベトナムの街は徒歩に向いていない。いつからそうだっ
たかは知らないが、現代において皆バイクを利用することがほとんどなので人々も街も
バイク中心に生活しているようだ。ということは歩行者はある意味、ないがしろにされ
ている。それは実際に歩いてみるとはっきりわかる。歩行者用と言っていいのかは分か
らないが道路と区別される写真のような道はかなり広い。一見すると歩行者には都合が
よいように思える。しかしそこにはゴミ、物、バイク、路上喫茶店、屋台等がひしめき
合い歩行者はいったん道路に出て歩かなければならないことも多い。現地ではそれが普
通のことなのであるが、私にとっては普通ではない。ひどく歩きにくい。そして舗装が
崩れてきていてでこぼこな道も多く疲れる。このような歩行者にとって障害が多いのも
人々がバイクを利用する一要素ではないかとさえ思う。この歩行者の惨状の原因はバイ
クが先か人々のライフスタイルが先かとふと考えてしまった。
それでも「ベトナム徒歩」は辞められない。人々の生活がよくわかり奇想天外な風景は
脳みそに大きな刺激を与えてくれるのであった。