本紹介 「進化教育学入門」
「進化教育学入門」
動物行動学から見た学習
小林朋道
先日この本を読み終えた。図書館の新刊コーナーにあり題名が興味を引き借りることにした。図書館の良いところは気軽に本に触れることできる点に尽きる。人間の一生に読むことができる本の量は限界がある。一冊読むことは一冊読めなくなることである。出来ることならばお金も時間も損はしたくないだろう。しかし本を手に取らなければ始まらない。
ここに図書館の価値を見いだせる。図書館のルールを守って手当たり次第本を借りる。そして5分でもいいからページを繰る。最初から読む必要はなく適当に開いページでもよい。あとがきからでもいい。本に触れるという事実さえあれば。極端に言えば、テーマと表紙からどのような本なのかを想像するだけでもいいと思う。
本題に入る。
この本は動物の行動、進化の過程から人間の特性を考えて、その特性を人間の学習に役立てようとする学問の話しである。長い進化のなかにおいて動物から人間へと連綿と続く流れにヒントを得るという考え方だと私は思う。
人類はこれまで20万年のうち9割の期間を狩猟採集生活をしてきて農耕生活になったのは1万年程度だという。狩猟採集生活時代の生き方が現在においても人間の脳や身体に大きく影響しているというのである。その具体例も興味深い話が多い。
非常に面白く読んだ本であった。この本は購入し取っておき再読しようと思う。興味がある人は先ずは図書館で借りてみてはどうだろうか。